以前の投稿では、山本五十六の「やってみて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」の名言をテーマに投稿しましたが、この名言は、『人を動かす』意味があり、指導者自らが模範を見せる。分かりやすく説明する。相手にやらせてみる。努力を認め、褒めてあげるという意味があります。それだけでなく山本五十六は、『人を育てる』『人を実らす』ための名言も残しています。
山本五十六(やまもといそろく)は、1884年(明治17年)に現在の新潟県長岡市で生まれました。父が56歳の時の子だったため「五十六」と名づけられました。長岡中学を卒業後、海軍兵学校に入り、日露戦争の日本海海戦で重傷を負います。のちに山本家を継ぎ「山本五十六」と名乗ります。
1918年、三橋禮子と結婚し、翌年アメリカへ留学。ハーバード大学で英語を学び、欧米の国々を視察しました。世界を見た経験から、これからの戦争では「航空機」が重要になると考え、航空戦力の発展に力を注ぎます。
1930年のロンドン軍縮会議では海軍代表として粘り強く交渉を行い、1936年には海軍次官となって日独伊三国軍事同盟に反対しました。
1939年、連合艦隊司令長官となり、1941年には真珠湾攻撃を指揮します。
1943年、ブーゲンビル島上空で戦死。死後、「元帥」の称号が贈られました。日本の将来を真剣に考えた信念の人でした。
山本五十六が残した名言のなかには、「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」という言葉があります。これは、『人を育てる』意味があり、相手と対話し、意見に耳を傾ける。
この名言は、仕事の中でも『人を動かす』、次の段階で『人を育てる』時に何でもかんでも手取り足取り教えるのではなく、上司の手が離れたあとでも困らないようにしてあげる・・・それが、人を育てることだと認識しています。例えば、ある課題において、十分に理解することなく、ただ手順通りの作業をさせるとどうでしょう?活動はしていても、思考が停止したままでは、本人のチカラにはなりません。1つひとつの作業の意味や目的について、十分な時間を割いて対話をする、議論をする。考えさせながら行わせる。社員の思考や理解の度合いを大切にして、社員の将来に思いを馳せながら、社員のチカラになるように行動しています。また、今仕事をしていること、これから作業をすることの意義や目的を伝えるように努めています。知識や技術は受け入れる(input)だけではなく、使うこと(output)ができてこそ意味のあるものになると思います。
また、「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」という名言も残しています。これは、『人を実らす』意味があり、相手の成長や努力の過程を感謝しながら見守る。人材育成における最終段階を示しています。この言葉は、部下を育成し、才能を開花させるためには、感謝の気持ちでそのプロセスを見守り、深く信頼することが不可欠であると説いています。このレベルになると、昇格対象になり、もう一段高い役職で実践してもらうことになると思います。
それぞれの社員の特性に応じて、この三つの名言のような育成が達成できたら、素敵なことだと思います。残念ながら、三つの名言のうち、私は一つ目の「やってみて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」は意識していましたが、あとの二つの育成段階は、うまくできていたのか自信がありません。今、部下を持つ方は、この3つの段階を意識して育成してもらいたいものです。


コメント