わたしたちの心は本来、意識しなくても柔軟で自
由な判断をしているものです。しかし強いストレ
スにさらされると心の柔軟性が失われ、思考範囲
が極端に狭くなることがあります。
ある劇場で火事が起きた時の人間の行動を見る
と、強いストレスが人間の思考や行動を制限して
しまうことがよく分かります。
劇場で火事が起こり、場内に煙が立ち込めてくる
と、人は外へ逃げ出そうとします。いっせいにド
アに殺到するのですが、なぜかこのとき、誰もが
ドアを押して開けようとするのです。
そのドアが内側にしか開かないドアであっても、
人々は必死に押し続けます。ちょっと考えれば、
引いてみることが出来るはずなのに、人は動揺し
ているとひとつの方法に固執してしまい、別の方
法を試すことすら出来なくなってしまうのです。
これは、心理学の本などで人間の心理を説明する
時によく引用される事例なのですが、同じよう
なことは日常でも起こりがちです。
私たちは、自分が正しいと思う方法で物事が上手
くいかなかった時、「自分はまちがっていないは
ずなのに、なぜ?」と焦ります。
ここで一度立ち止まって別の方法を考えればい
いのですが、焦れば焦るほど、同じ失敗を繰り返
してしまいます。
「このやり方でうまくいかないはずがない」と、
最初に選んだ方法に固執してしまうのです。
絶対的な信念
心

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