アイデアは斬新なほどたたかれる

微細な穴を無数に持つ新しい有機材料「多孔(たこう)性金属錯体(さくたい)」を開発し、今年のノーベル化学賞に選ばれた京都大の北川進特別教授(74)が発表されました。
成功まで平らな道ではありませんでした。1997年に論文を発表したが、評価は低かったのです。当時は分子の骨格や形状こそが重要で、分子がつくる空間、つまり「穴」に注目する人は少なく、データの信頼性を疑問視する意見が相次ました。食事をしていると目の前に外国人研究者が座り「おまえはうそつきだ」と言い放たれたこともありました。

ニュース番組で「アイデアは斬新なほどたたかれる。そこでやめたら終わり、クソっと思い、やりなおしては改良する日々の連続だった。」と感想を述べていました。
また、大事にしている言葉は何かの問に「無用の用」。無用とされているものが、かえって大用をなす。とも述べられてました。
若い研究者に望むことはの問には、「おもしろいことこれにチャレンジする。無理だと言われていることを努力してそれを実現した時が醍醐味だ」とも述べられていました。

私は管理職になる前、企画担当(サービス部)に所属していた時期あがります。
企画担当では、大きく分けると収支、育成担当があるのですが、私は育成担当を任せられました。サービス部全体(約500名)の育成計画を立てるのですが、各担当で向上させたいスキルの分野が異なり、考えた結果、Linuxの技術者が必ず、どの職場でもいることに目を向けました。そして、外部講師を雇って、資格取得に向けた研修会を企画したのですが、上司には認めてもらえませんでした。前例がないとか、資格を取れなかった場合どうするのかなど、いろんな事を言われて最初の企画は断念することになりました。

その後、どうしたら認めてもらえるかを考え、外部講師ではなく、自らが先に資格を取得し、その学習方法を受講者に説明する形態を提案しました。
まず、自分が資格を取得しなければなりません。数冊のLinux関連書籍を購入し、自宅のマシンで検証しながら学習をすすめ、合格することができました。
会議室にパソコンを用意し、講師はサーバー、受講者はクライアントを構成して出題傾向から実技も含めて学習してもらうのです。コストは抑えられ、不合格者が出てもマンツーマンで指導することができます。

そこでやっと新たな提案が許可され、受講者全員(各担当から2名程度)に講義を行ったのですが、初回で合格した人数が8割、あとの2割は不合格となりました。そこで不合格になった社員を集め、再度、弱点対策で講習を実施し、全員が合格することができました。
「アイデアは斬新なほどたたかれる。そこでやめたら終わり、クソっと思い、やりなおしては改良する日々の連続だった」に繋がるような出来事でした。

人に認められず、悔しい思いをしてでも諦めない。日々、努力してアイデアを実現させた時は、ほんとに嬉しかっただろうし、そういうことが研究(仕事)の醍醐味であると感じました。
ノーベル化学賞受賞おめでとうございます。

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