木を見て森を見ず

木を見て森を見ずとは、個々の細部にばかり気を取られて、全体の状況や本質を見失ってしまう状態を指すことわざです。私が現役中で一番長い経験があるのが、交換機のソフト故障の原因究明業務でした。ソフトウェアの故障は、特定の条件が重なり合って発生するので、多角的に物事を見て調査しないと原因が見つかりません。往々として、はまってしまうのが、一つの条件で細部まで解析していると、原因が特定されず、今、自分は何を目的に調査しているのかも分からなくなってしまいます。そんな時は複数の条件を軽くトレースする。そうすることで「あの条件とこの条件が重なりあったら…」とヒントが見つかります。いわゆる森を見て調査をするにあたいします。それからそのヒントが当たっているか木を見て詳細に調査するとようやく原因に到達します。そういったことをたくさん経験しました。

ホームページなどを作成する時もCSSと連携させるなど、一つのことだけを考えてコーディングしていると、CSSが予期せぬ動作を引き起こして全体がガタガタになってしまうことがあります。そういった時には命名規則や全体に与えるのか個別に与えるかを見極めて作成することが大切だと思います。
また、フォトショップやイラストレータなどでも複数のレイヤを重ねて表示していると、ある一部を修正したいときにどのレイヤを修正すればよいのか訳が分からなくなってしまいます。

何事にもあてはまると思うのですが、「木を見て森を見ず」絵を描く時には、森の全体像を描き、木の細部を書いていく方が綺麗に描けるのではないでしょうか。

コメント

  1. Web好き より:

    Webでデザインが崩れたときって、CSSのみ、HTMLのみ見ていても解決できないことってありますよね。両方を俯瞰してみると解決できることが多いですね。

    • dbase より:

      そうですね。その俯瞰して見ることができるのも、失敗があってのことだと思います。
      うまく行かない時は、一歩下がって森を見るがごとく俯瞰してみることが大切なことだと思います。

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