2025-07

紅葉

野分の次の日、疏水をのぞくと、鮎の群が驚くほど幾つも川面すれすれに見えた。どこかに向かって泳いでいるというよりは、身をくねらせて互いにじゃれ合い流れに乗っているだけのように見えた。確かに増水している。湖の設営してあるエリが壊れたのだろうか。...

生きる

生きているということいま生きているということそれはのどがかわくということ木もれ陽がまぶしいということふっと或るメロディーを思い出すということくしゃみをすることあなたと手をつなぐこと生きているということいま生きているということそれはミニスカー...

朝のリレー

カムチャッカの若者がきりんの夢を見ているときメキシコの娘は朝もやの中でバスを待っているニューヨークの少女がほほえみながら寝返りをうつときローマの少年は柱頭に染める朝陽にウインクするこの地球ではいつもどこかで朝がはじまっているぼくらは朝をリレ...

言葉にできない

LALALALALALALA…終わる筈のない愛が途絶えたいのち尽きてゆくようにちがうきっとちがう心が叫んでるひとりでは生きてゆけなくてまた誰かを愛しているこころ哀しくて言葉にできない言葉にできないLALALALALALALA…せつない嘘をつ...

ただお前がいい

ただお前がいい、わずらわしさに投げた小石の放物線の軌跡の上で通り過ぎてきた青春のかけらが飛び跳ねて見えたその照り返しをその頬に映していたお前また会う約束などすることもなくそれじゃまたなと別れるときのお前がいいただお前がいい、落とすものなど何...